Always we need
僕らの関係は、目紛(めまぐる)しく変わった
知人から友達になるのも束の間だったし
恋人なんて面倒臭いと、最初から当て嵌めなかった
強いて言えば、一瞬だった
「“親愛”って、どうですか?」
名前のない関係が良いと言われて
すこしして、君がくれたけど
いまは、“家族”に落ち着いている
それでも思考が堂々巡りするのは
いつかの我慢が消化不良を起こしているからで
良き理解者であろうとすると
イエスマンみたいになってしまうのは
諦める以外、選択肢がないんだろうか
「私はあのとき、あんなに話したんだから、
分かってくれてると思ってました」
「私は、こういう意味で伝えたつもりでした」
考え尽くした私の最終稿だと主張する
じゃあ、僕は?なんて言おうものなら、火に油でしかない
説教したいわけでもない
直そうだなんて烏滸がましい
考える方法を差し出すくらいしか、やれることはない
だから、僕が返す言葉は大体こうだった
「君が生きてきた年月のたった半年ちょっとだよ。
つもりで言われたって、分かるわけがない」
どんな関係でもないなら、何をしても自由なんてのは
知らないひとがそこにいるのと変わらない
僕はホテルのフロントマンでも、飛行機の客室乗務員でもない
君は、嫌がるかもしれないけど
ひとりとひとり ∧ 恋人 ∧ 親愛 ∧ 家族 ∧ 大切なパートナーであって
この集合体であって、以上でも以下でもない
どれでもあって
すべてだって
それくらい、僕らは、ふたりになってしまったんだと
冷めてしまった珈琲を淹れ直しながら思った。
— Always we need —
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