Poem

君の唄って、ホントすごいなって思う


練習してきたからとか

努力してきたからとか

なんかそういうのじゃなくて

君そのものが、言葉と感情が

アイスクリームみたいに混ざり合って

狂おしいくらいに、いまを声にしてる


無色透明なはずの君の声に

どれだけ色があるって言えば伝えきれるだろう


いつもとは言わない

というか、さすがに無理だけど

ペンライトをそれなりに全力で振りながら

我侭に特等席で聴いていたい

わざとらしく涙なんか流して

大喜びで誰よりも大きい拍手を送ってやりたい


君が見せてくれる、君の世界への愛しさが

成程、僕も愛しいと思う


言葉でしか知らなかった昨日までのこと

言葉でさえ見えなかった明日のこと


いまを春風のように駆け抜けていく

君に憧れている。


—君の唄—

偶然とか必然とか、ナンセンスだと思う

ただ過去の傷みも苦しみも

そこに挟まれたすこしばかりの愉しみも

そうだと言ってしまうには

納得いかないことの方がずっと多いけれど

いまの日々へ繋ぐための物語だったなら

過去にさよならをした僕のことを

間違いじゃなかったと許してやれる


大人になることを選んだ

幸せになることを選んだ


まだ、怖さはある

でも、負けるつもりはない


君が隣にいる帰り道


愛しくて頭を撫でた

微笑みながら、君の手が僕の頭をポンポンする

「撫で返し」

なんて言うから

我慢しきれずに噴き出してしまう


君を大切に想っている

僕は大切に想われている


「大切にする」って

どうすればそう言えるんだろうって考えた


ただ恋していればいいわけじゃない

ただ愛していればいいわけじゃない

それは、まやかしにしかならない


好きって

大好きって

愛してるって言えば

触れて伝わることは

きっと、そんなに多くない


恋して

愛して

独りを選ばず

一人になって

自分自身と向き合って

お互いに向き合って

受け止めて

受け容れて

側にいると覚悟して

いまを二人で生きて

君の全部を守るって誓うよ


寝惚けた君に抱きすくめられる

なにひとつ、無駄じゃなかった。


— anything we need —

祈りは、いつも届くわけじゃない

願いだって、いつも叶うわけじゃない

思い通りの日々ばかり過ごせてしまったら

きっと僕らは大人になんてなれない


光が燦々と降る晴れの日

そんなもの!ってカーテンで遮って

押し開くドアに全体重を預けて

閉じ籠ってしまう日だってあっていい


そんな日があっても「大丈夫だ」って

何度だって言い続けるよ

それで、ちゃんと立ち向かっていけるよ


送り出すときは、背中を押す手が

帰ってきたとき、抱き締める腕が

いまをふたりで、一緒に歩く足がある


「貴方がいるから頑張れる」


君が言ってくれたように

君がいるから、僕も頑張れる

だからふたりで、今日を生きていける


こころの奥に押し込めた希望の箱

ひとりが怖ければ、ふたりで開ければいい

そうして世界は自由にしていける


大丈夫

だって


もし君の行く道を穢す奴がいたら

その怒りだって悲しみだって、全部受け容れるよ

一緒に怒って、一緒に泣こう

そいつは、きっと他の誰にだって赦されないよ

気にしないのは難しいかもしれないけど

分からず屋なんて全力で置いてきぼりにしてさ


頑張って起きてる朝に、おいしいコーヒーでも飲みながら

幸せなんだって、ふたりで笑い合おうぜ。


— one and only —

昨晩のビール2缶も、あっという間だった

美味しいんだからしょうがない

どうせ足りないだろうと持って来たアマレットで

酔いどれて眠りについた


僕は午後用事があったけど、君は1日オフだ

お互いのことに勤(いそ)しむ

誰の邪魔も受けない一人の時間は

大切に守りたい自分そのものだと思う


意識しなければ出来ないことの、ひとつかもしれない


出掛ける直前、「行ってきます」とメッセージして

スマホを仕舞う

そうして、出ようとした瞬間だった

部屋のノブが勢いよく回る

あんまり焦って外から押し開けようとするから

「いるよ!いるいる!!」

と向こう側に声を掛けながら、急いで内側から押して開ける

何事かと思ったら、コップを忘れていないかという話だった


君がいつもの鞄に仕舞ったところまで覚えていたから

僕の部屋には、当然なかったわけだけど

これは棚からぼたもちだとばかりに

お気に入りのワンピースに身を包んだ君としっかりハグする

「離したくなくなるなあ…」

「そうですね」

と昼間からクサい台詞を交わしあって、何とか離れる


君の部屋の前で、別れ際に

「行ってらっしゃい」って、笑って送り出してくれる

玄関まで来てくれたら尚嬉しかったけど

さすがにそれは、望み過ぎだろう


探しものは、やっぱり君の部屋にあった

そこで、ふと思った

コップ、元々あったんじゃないかって


愛らしい君のことだから

僕に行ってきますを言おうとして

慌てて来たんだろうなって

ちょっとくらい自惚れてみてもいいかなあ


君も出掛けるんだよね


気をつけて、行ってくるんだよ

気をつけて、帰ってくるんだよ


そう祈った。


— just before leaving —

このところ、我慢できない涙が多い

どこに居たんだろうかと思うくらい

ふとしたときに溢れ返って困ってしまう


全然悲しくない


詩を書きながら君のこと想い出して

こんなに幸せで良いんだろうかって

抱えた傷をちゃんと清算して

未来でやりたいことできてるだろうかって


不安と怖さと期待と希望と

なんか色々ごちゃ混ぜになって

分からなくなってしまうんだ


でも、もう知ってる


僕が前を向いて歩き出してることだって

君と幸せになるために毎日生きてることだって

君とやりたいこと行きたいところが盛り沢山で

夢にも希望にも溢れ返っていることだって

それをはしゃぎながら話す僕を

「かわいい」って言って、想ってくれてることだって


全部大事だから、涙になんか流してしまいたくない

目が赤くなるのだって嫌だよ

そんなふうに忘れたりなんかしたら

余計に自分のこと許せないって


じゃあねも、さよならも、したくないよ

何度だって、君に会いたいよ


僕は、自分のためだけには、やっぱり生きられそうにもないけれど

君のためだけでも駄目だってこと分かってるから

だから、ひとりぶんずつ

合わせて、ふたりぶんで幸せになろう


今日もよく頑張ったね

僕らふたりで生きてるよ。


— already know —