帰る場所

玄関の開(ひら)く音が待ち遠しいのは

僕を帰る場所だって、言ってくれたからだった


それでも、こころ細くなってしまうことがある


言わない余白は、言わないままで

知らない余白は、知らないままで

無条件に守ってあげられたらいいのに

そんなふうに強くありたいなあ


君のことを信じていたいのに、僕のことさえ聴いてくれない

この憂いは、どうしたら消えてくれるのか分からない

重ねてきた言葉だけじゃ全然足りなくて

ふたりになってからなんて

人生の云十分(ウンジュウブン)のイチしか経ってないんだから

重ねてきた時間なんて、そりゃ当然足りてなくて

いくらお互いに想ってたって

すべて思うようには、なれないよな

でも、きっと僕が至らないだけなんだろうな


今夜も、もうすぐ君が帰って来る


会えるって感覚が、僕には未だにある

失くしたくないとは思うけど

それなりに一緒にいて、ちょっと寂しいなあとも思う


だから


「おかえり」は、会いたかったよりも

今日もよく頑張ったね、お疲れさまって意味で言いたい

今夜もここに帰ってきたって安心感で、迎えたい


ふたりの余白を、淡く確かに染めていくように。


—帰る場所—

A recollection with you

カフェ“ポエム” since 2010.11.27

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