Diary

久しぶりのDiary更新です。


昨晩、映画「夏の砂の上」のティーチイン上映会に行ってきました。

1990年代にリリースされた、松田正隆さんの同名の戯曲を原作とした映画です。これまで、数度に渡って講演が行われてきましたが、玉田真也さん監督・脚本で、今回初めて映画化されました。全編、長崎でロケが行われています。


ーここから先、映画の内容に触れます。ご了承くださいー


前提として、この物語は、戯曲であるが故か救いがありません。

主人公の小浦(オダギリジョー)は、子供を亡くし、職を失い、元同僚(陣野:森山直太朗)と奥さん(恵子:松たか子)が不倫をしています。さらには自身の妹の子、優子(髙石あかり)を、ひょんなことから預かることになるという、冒頭からかなりハードな背景が描かれています。

優子の存在は、小浦にとって相当辛い感情があったはず。自身の子供はもうこの世にいないのに、唐突に守るべきものになります。親代わりを演じようとする小浦ですが、日々を過ごすうちに、ふたりであることに段々と馴染んでいくんですよね。それに呼応するように、小浦の存在を意識する優子は、とても印象的でした。

森山直太朗さんは、映画初出演というのをとある記事で見て、本当に!?と思うほど、陣野という役に嵌っていたように思います。森山さん本人に元々在る優しさが、随所に滲み出ていて、だからこその不倫相手という役だったのかなと感じました。ティーチインでも語られていましたが、オダギリさんが直接オファーしたのも納得でした。


ティーチインには、主演のオダギリさんと、陣野役の森山さんが登壇されました。映画はこの日で、節目だったようで、ふたりのテーブルにはお酒が並んでいました。乾杯から始まるなんて、面白いしかない笑

ふたりの会話を司会のひとが聴いていくものかと思ったら、なんと観客が直接質問できちゃうなんて大盤振る舞い。いや、いいんですか本当に。そんなことを思いながら、こんな機会はないと思って、手を挙げてみたんですよ。そしたら、なんとご指名頂きまして。嬉しすぎて頭の中が、上へ下への大騒ぎ。僕の質問は、ラストシーンに突っ込んだ内容なので、ここでも、もちろん明かすことはできませんが、丁寧におふたりで答えてくださりました。


素敵な機会を頂けたことを、心の底から感謝しています。

ティーチインの公式振り返り記事は、こちらからどうぞ。

https://natsunosunanoue-movie.asmik-ace.co.jp/news/archives/409


備忘録—映画「夏の砂の上」—

こんばんは、祐月です。

ART・PORTE様主催 DREAMERS ART 〜 時 〜 time の会期が無事に終わりました。

DREAMERS ART 〜 秘密 〜 の解説スペースで、出展のお誘いがあったのが、およそ半年前。内心、飛んで喜んだもんです。ただ、僕の個展が終わった日から1年後、同じ日に同じ場所で、このグループ展が始まったことについては、どうしても運命のイタズラだと感じずにいられません。無理矢理にでも、あの日筆を折ろうとしたけれど、へし折れなくて良かったなあと、今は思っています(苦笑)


あとねえ、やっぱり僕にとって鹿児島は特別な場所なんですよ。言わずもがなな部分はここではあえて言いませんが、「ただいま!」って、何の気兼ねもなく言えて、「おかえり!」と迎えてくれるこの場所を僕は愛しているし、愛されているなあと。生まれの故郷でも育ちの故郷でもないけれど、僕にとっては世界のどこよりも、本当に一番の故郷です。


鹿児島のみんな!愛してるぜ!照


さてさて。柄にもない言葉はこの辺にして、作品の解説をしましょう。

今回のテーマは、グループ展のタイトルにもあるように「時」でした。テーマから、色々と言葉遊びや連想ゲームをしました。

例えば、

・時→time→待つ(野球用語)とか、

・時→time→タイ→hold me tight  /  私を抱きしめて

     →ム →夢    みたいに分解してみたり

・時を自然で表現するには…

  →(自然)光→水平線・地平線,早朝・夕刻をどう組みわせるか。

・時を感じられる場所は?

採用したものしなかったものは、もちろんあります。全部乗せちゃうと、伝えたいことがブレかねないので、こればっかりは止むなしです。

制作する上で、悩んだのは裏設定でした。時の「流れ」というのを、僕は無意識に大事にしています。それは僕の表現が、イマ目の前にあるくらい鮮明で大切な記憶でありたい、という願いみたいなものだから。おかげで僕は、過去の自分の詩を全て見返す作業もしたわけです。そうして決めたのは、この作品は連作にする、ということでした。

いつ、どこからの連作かは、今は皆さんのご想像にお任せします。


今作のタイトルは、—約束—です。


副題を2つ用意して、写真はそのままに、物語は最終日にフュージョンするという手法にしました。その副題は、sending / receiving です。直訳すると、送る / 受け取る ですね。約束ってメールみたいに送受信するものではありませんが、言葉として送ったり受け取ったりはしますよね。

皆さんは、幼いころの約束って覚えていますか?

そのとき目の前にいる大切な誰かと、叶うかどうかなんてどうでもよくて、イマを宝物のように残しておいた「約束」の言葉。きっともう記憶の彼方だと思いますし、覚えていたとしても、どうして交わしたのか理由まで思い出せるひとは、そう多くはないでしょう。

では、幼いの定義をすこし変えてみます。

そのときは何の気もなかった関係性が、時間が流れていくにつれて段々と深まってきて、大切なひとになっていく。交わした言葉、積み重ねた時間がちゃんとあるのに、何かが原因で離ればなれになったこと、人生で一度はあると思います。物理的な距離がどうにもならなかったり、ひととして未だ子供だったせいで相手を傷つけてしまったり。


約束を交わした大切なひとがいる。

これは、約束を受け取った方が、そのひとからもらった大切な言葉を、ふと思い出してしまった物語です。


先に、これは「連作」です、と言ったことに、もう少しだけ付け加えておきます。

イマの僕の表現、写真に詩をつけるスタイルがあるのは、鹿児島のみんなのおかげです。写真の何も知らないでカメラを手にした7年前、初めて、自分の表現を展示しようと思えたのも叶えられたのも。昨年、個展をしたことも、このグループ展に参加できたことも。

すべては、鹿児島のみんなと巡り逢えたおかげです。本当にありがとう。全部連れて、ちゃんと幸せな物語にしていくからね。楽しみにしていてね。


故郷の温もりに想いを馳せながら

カフェ“ポエム” 店主 星乃 祐月


ART・PORTE企画展 DREAMERS ART 〜時〜 time

絵画・イラスト・写真等、表現ジャンルを問わず、「時」にまつわる作品グループ展です。

会期は、終了しました。

・会期 2/18 tue.-2/23 sun.11:00-19:00

    最終日のみ、17時まで。

・会場

 Gallery POLANCCA

 鹿児島県鹿児島市名山町8−8 Little Bird 3F&4F


Special Thanks

本作品に関わってくださったすべての皆様へ。


⦅※2/3追記⦆

あけましておめでとうございます。

えーと、お知らせです(_ _)


2025年最初は、こちらに出展します。この企画展は、「時」から連想されるものをテーマとした作品を展示するグループ展です。

昨年の個展から1年。まさかまた、大好きなこの場所で、自分の作品を展示させて頂けることをとても嬉しく思います。お声掛けくださった、ART・PORTE主宰の星羅さんはじめ、ご協力頂いた皆さんに、この場を借りて感謝申し上げます。


今回、人生初のサイズで展示するので、とてもどきどきしています。作品には、物語として、詩を書き下ろしましたので、併せてご覧ください。また会期中、展示に関連するスペースが開かれると思います。きっとコメンテーターで出演するハズなので、そちらもお楽しみに。


—在廊日程—

2月18日(火) 17時〜19時

2月19日(水) 終日

2月20日(木) 16時頃まで外出します。18時前には撤収します。

昼食などで外出することもありますので、お越しの際は、ご連絡頂けるとありがたいです。


皆さまとお会いできること、こころより楽しみにしています。


ーART・PORTE企画展 DREAMERS ART 〜時〜 timeー

会期 2024年2月18日(火)〜23日(日) 11時から19時

   ※最終日のみ、17時まで

会場 GALLERY POLANCCA 

   鹿児島県鹿児島市名山町8−8 Little Bird 3F-4F

   

   2Fの喫茶にて、珈琲・お菓子など頂けます。

   とても美味しいので、鑑賞のお供にぜひ。


本展は、グループ展です。

ぜひ皆さんの作品と合わせてお楽しみください。


2024年の年の瀬、いかがお過ごしでしょうか。

僕はといえば、いまごろ新居で、年越し天ぷら蕎麦でも食べているはず。海老天か、かき揚げか、あるいはその両方か。両方だったらかなりの欲張りだね。2年ほど過ごした場所を離れることになるなんて夢にも思ってなかったけど、いまの場所はそれなりに気に入っています。


今年の僕は、これまで生きてきた中でも一番苦しい年でした。どこまでも真っ暗闇で、何度自問しても答えは出なくて。自分だけで生きていけないことも、痛いくらい。いま生かされている理由も、ものすごくたくさん考えた。誰かを頼っても良いこととか、溜まりに溜まったこころのしこりの取り方とか。何もかも自分の手から溢(こぼ)れて失ったような気がしているけれど、手のひらに残った雫のような、欠片のようなものがあって、この正体は何だろう、とか。あるいはそんな中でも、自分にとって大切なものを改めて確認したりとか。


生きていれば、色々な答えは出てくるのかな。


すくなくとも、いまの僕はこれからの僕を幸せにしてやりたい。でも、どうしたらそうなれるのか見当もつかないから、皆の考えを借りたいし、助けて欲しい。そうして、ちゃんと返せる力をつけて、新しく積み重ねた色々なもので、皆を幸せにしていける世界にしたい。

理想論かもしれない。

けれど、僕はそうありたい。どうせ泣くなら嬉し泣きが良いし、どうせ笑うなら愛想笑いより抱腹絶倒が良い。それでやっと、これまでの人生がすこしは報われる気がする。


うむ。自分語りが過ぎたな(苦笑)


あ、そうそう。カフェ“ポエム”のオリジナルブレンド「初恋」が、2年ぶりに戻ってきました!

2024版は、2022版と比べてすこし大人の落ち着いた印象の味になりました。僕の所感は、白ワインやシャインマスカットです。エスプレッソ、ドリップ、フレンチプレスで飲んでみましたが、どう飲んでもやっぱり美味しい。届き立てホヤホヤが一番香り高く美味しいので、試してみたい方はご連絡ください。


さて、2025年まであと15分。君はどんな想いを馳せますか。

僕は、皆の幸せを願っています。初恋を飲みながら。


カフェ“ポエム” 店主 星乃 祐月

       店員 星乃 詩歩

僕はいま、自分で淹れたカフェラテ(on MONIN Cherry Blossom)を飲みつつ、ローソンのチョコチップスナックをつまみながら、この文を書いています。詩歩にバレたら怒られそうだなあ。

さてさて、カフェ“ポエム”は、2024年11月10日で13周年を迎えました。迎えたから何か変わりがあるかと言えば、特にないんですけども。と言うか、いつもとおなじ雰囲気で、皆さんを迎える場所であり続けたいから、なんですけども。


変わったことと言えば、自分がつくるものへの向き合い方、かもしれません。


僕がこれまで、自分がつくった詩や写真を積極的に外に出して来なかったことにも絡んできますが、それは、自分のつくるものが、誰かとの記憶であって、アートと言うにはあまりに個人的なものだと考えてきたから。グループ展に自分のつくったものを出す度に、得体の知れない違和感は増していくばかりで、戸惑いに支配されることさえありました。そこから救い出してくれるのは、僕の表現を見たひとたちからの“言葉”でした。先にInstagramのストーリーにも書いた通り、自分を「アーティスト」と言うには烏滸(おこ)がましいと思ってきたし、それでも良いかなと思えるようになったのも、みんなの“言葉”のおかげです。

僕がアーティストとしてあるために、どれひとつ、これからも妥協するつもりはないし、これまでにない形をずっとつくっていくし、そうやってみんなをアートの世界に引き込んで楽しませたいと、心の底から思っています。きっと、これから僕がやろうとしていることは、もれなく現実を、みんなを巻き込んで、数年掛けて書き上げるであろう壮大な物語になります。


もちろん、超絶美味いオリジナルブレンド「初恋」を添えてね。


最近、やっと、自分の幸せに目を向けられるようになったんですよ。何をすれば、自分は幸せになれる(いられる)んだろうって。偽善に聞こえるかも知れないけど、僕がつくる色々が、みんなの幸せになれること。そのためには、たくさん頑張らなきゃね。

これからグループ展に参加することは、減ると思います。アーティストである以上、自分の価値を失いたくないから。主催側として、出展作品を集めるのがとても大変なことはわかるけれど、場を埋めるためだったり、知人友人が集まって語らうだけであって欲しくない。ちゃんと(僕だけでなく他のアーティストさんの)作品と向き合ってもらえる展示であって欲しい。


作品は、つくって終わりじゃないからね。


昔、お世話になっていたひとに言われた言葉があります。

「自分の価値は、自分で決めろ。絶対に下げるな」

これは地元で、僕がコーヒーを売っていた頃の話です。ここで言う価値は、言わずもがな、売値のことですが、そうだなあといまでも思います。割引なんてしたら、僕に豆を卸してくれるマスターにも失礼だし、僕はそのお店の誇りも一緒に提供してるんだと。これを僕に置き換えて言えば、僕の表現に「誰か」は欠かせない。その「誰か」に失礼にならないように、そのひとの持っている表現を最大限に引き出して、そこに作品としての想いも乗せていく。

これから何かをつくる上で、みんなに色々お願いすることがあると思います。突拍子もないことかもしれない。けれど、ちゃんと良いものにするから、力を貸してもらえると、とても嬉しいです。


うーん。なんだ、これ。

やけに偉そうだな、、笑


14年目のカフェ“ポエム”は、表立った活動は決して多くないかもしれません。お休みするという意味ではありませんが、大きく動くための準備期間になると思います。前にもこっそり言ったけれど、僕でさえ全貌が見えてないからね。


肌寒さが日に日に増してきましたね。僕は、もうタートルネックとハンドクリームが欠かせません。みなさんも、どうかご自愛ください。


秋雨の匂いに、すこしばかりの寂しさを覚えて。

カフェ“ポエム” 店主 星乃 祐月