blues
「貴方って、うっかり消えてしまいそうで怖いです」
君にそう言われても、仕方がない
誰も側に居ない夜に、唐突に支配されるから
僕は、ついうっかり希望なんてものを持ってしまう
生きていることを許されたいと思ってしまう
これまでの世界で、それは許されなくて
考えることのすべてを止めようとした
諦めれば楽になるんだと、何度だってこころを潰した
傷が傷かどうかさえ、判断がつかなくなった
僕が声を消してしまえば、誰も傷つかなくて済む
僕に声が聴こえなければ、傷つけられても気付かない
僕が傷に気付かなければ、僕の痛みを君は知り得ない
そうやって僕は、僕を組み伏せる
それで、いいんじゃないかって
きっと僕は、このこころを君に掴んで欲しい
堂々と踏み込んで欲しい
陰鬱なこれを、馬鹿だと罵って跡形もなく壊して欲しい
「貴方は、うっかり生きていていい」って、
何度だって言って欲しい
僕の一生を掛けたとしても、もう君を嫌いにはなれない。
—blues —
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