澪標 思いの通過点編

最近の僕は、君の蓋を開けてばかりな気がする

ふたりの休日

ブランチのあと、殆ど前触れなく始まった


僕の将来の話をしていた

いつの間にか

君の将来の話になっていた

こういうとき

言葉数が多いのは、いつも君の方で

話してもらえるのは嬉しいけれど

それだけではなかった


だからと言って、聴きたくないわけじゃない

むしろどれだけでも聴きたい

ただ

今日は僕の話、もっと聴いて欲しかったなって

それだけ


日々を生きてると考える時間さえ上手く取れなくて

目の前のことに必死で、明日がどんどん嫌になって

やりきれない感情が溜まって

正しさなんか分からなくなって

息は切れるし動悸だってする


何もかも面倒だって

何もしたくないって


君が何を口にしたって

ちゃんと聴くし

ちゃんと受け止めるよ


でもさ


立ち止まっていい、って

休んでいい、って

誰かに言うなら

君だってそうしていい


君の言う「変わりたい」とか「これじゃない」とか

どこか刹那的で危うさがあって

らしさや正解じゃなくて、生き急いでいるような気がした

だから、選ぶ権利は君にあるのに、敢えてさせなかった


君が一生懸命生きているいまを、ふたりで証明しながら

日々の隙間でいい

立ち止まって、意識して、考えて欲しい

生き方も、選び方も、良かったと言えるように


「貴方って、聴き上手ですね」


僕の詩人としての生き方は、ずっとそうだった

だからこれも、君と向きあった先の話で

君じゃなきゃ書こうとも残そうとも思わない


君が道に迷ったら、懐中電灯でほんの少し先を

僕が照らしてあげるくらいは、きっとできるよ


君が僕の行く道を、勝手に鮮やかに染めてくれたように。


—澪標 思いの通過点編—

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