holiday

僕らの休日は、まず寝坊で始まる

それを怒りはしないし、叱りもしない

日常を頑張ってるんだから

そんなのは、失礼極まりない


その代わり


楽しみじゃなかったのかなって

選んだ僕を責めそうになったり

自分だけの用事なら起きて行くのかなって

寝ている君を恨みそうになったり

どっちにしろ、そんなことはないって

不必要な不安だけが、僕を煽り散らかしていった


随分と遅れ馳せながら、電車に乗り込む


前回の二の舞は無意識に回避して

大丈夫だと意気込んで

今度こそ無事に着くはずだったのに、迷った


無駄に歩かせたことを謝ると

「任せきりにしてすみません」

なんて逆に謝られてしまって

それ以上、何も言えなくなってしまった


この日の、ふたりの出掛け先


初めての君は楽しいととてもはしゃいでいて

久しぶりの僕は、それを見るのが嬉しかった

僕のコーディネートで普段より大人な君との

記念写真は忘れずに撮った


君は、後輩の演劇を観に

僕は、友達に会うために

ただ、別々の用事に向かうだけなのに

「なんか淋しくなってきた」

なんて言うからすこし驚いてしまった

珍しいというか、なんというか

「どこかにいようか?」

一応、聴いてみる

「大丈夫です。ひとりで行けます」

その顔は、やっぱりどこか淋しそうだった

「家で待ってるよ」

そう伝えて、君をバス停で見送った


見送るのには慣れている


これまでは、僕の方が淋しくなる見送りが多かった

別に君がいきなり、家出少女になるわけじゃないし

ちゃんと帰って来るんだから、こんなに心強いことはない


このあと予想だにしないことが起きると知っていても

心構えなんてとっくにしているんだから。


— holiday —

A recollection with you

カフェ“ポエム” since 2010.11.27

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