優腹— ゆうふく —

セットしたアラームが鳴るまで、僕は二、三度起きてしまう

もう癖のようなものだけど

それで睡眠時間が足りていないわけではない

君の寝顔が見れるんだから大いに儲けものだ


たまに、布団と僕は一緒に包(くる)まれる

どっちも好きとはよく言ったもので

ここまでされれば信じざるを得ない

どんな夢を見たらそうなるんだろうかって

やっぱり気になってしまった


アラームの前に、また目が覚める

時間は、よく覚えていない

そのタイミングで君を起こしてしまった

そうっと布団に入り直すと

寝惚けたまま、横になって、不意に僕のお腹に手を当てて呟く

「お腹だ…。呼吸してる…。愛おしいねえ…」

僕に “ 愛おしい ” と言ったのは、初めてじゃないだろうか

寝惚けた頭で、そんなことを思いながら

真似をして君のお腹を摩(さす)ってみると

ふふんと気持ち良さそうにしていた

僕だって心地良いんだから、そりゃそうかと思い直す


3度目のスヌーズがくる前に、カーテンを開ける

太陽の光を浴びれば起きると言っていたのに

むにゃむにゃワールド全開で、仕方ないなあと

身体を起こしてやって、ようやく居住まいも整った


朝ごはんを求めて、お腹が鳴っている

今日も一日を始める合図だった。


優腹— ゆうふく —

A recollection with you

カフェ“ポエム” since 2010.11.27

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