他愛ないこと

基本的にゆっくりさんな君が

僕よりテキパキできることがひとつだけある

今の僕の髪が長過ぎるせいだけど

よーいどんで行くと勝負にならない


僕より早く、部屋で気持ち良さそうに

寝っ転がっている君をみる羽目になる

ドアを開けた僕を見た途端

スンとした表情から、微笑みに変わる

うーん。どうしたってかわいい

当然と言えば当然だけど


ふわっとお酒の香りがする

ビールっていうのが、君らしい


気の置けない仲で集まれるのって、やっぱり良いなって思う

友人が遠いとこうはいかないし、お互いの生活を意識せざるを得ない

次に会うのはいつになるかなんて、分かったもんじゃない


僕らの間には、毎日何かが起きているわけだけど、

今夜も例には漏れず、僕にはとんでもない言葉を聴くことになる


「貴方とのこと話したんですよ」

「・・・。へ?」

「大切なひとが出来たって」


微酔(ほろよ)いの君の頬が

すこし染まっているような

わずかに熱を持ったような

電球が暖色のせいで、よく見えない


僕は僕で、嬉しいのと気恥ずかしいのと

色々で、たぶん素っ頓狂な声が出ていた

君がまさか、そんなふうに誰かに言ってくれてる

そんな想像をしていなかったからかな


“大切なひと”って良いって、言われたらしい

その場にいたら、僕だって、そう思うだろう


好きなひとでも、愛してるひとでもない

どうせ僕らは、そんなことだけで生きてない

スーパーの特売のケーキに焼きプリンでも

そんな他愛ないことでも、僕らはきっと幸せになれる


日々は、それくらいのちっちゃい魔法でいい。


—他愛ないこと—

A recollection with you

カフェ“ポエム” since 2010.11.27

0コメント

  • 1000 / 1000