寝相

君を見ていると面白いことがたくさん起こる

寝ている時間も、そのひとつだ


眠る前の多少のモヤモヤは

寝かせてしまえば、いまにどうでもよくなる


フィギュアスケートのアクセルジャンプくらい

綺麗なフォームで舞っているみたいだった

そっぽを向いて

こっちを向いて

いきなりハグされるから、心臓が跳ねる


そういえば、いつだったか飛び起きたこともあった

声が出る程度には、怖かったらしい

夢の中の君は、一体何をしていたんだろうか

想像もつかない


ちょっとって言うと嘘になっちゃうから

だいぶ気になるし、一度はお邪魔してみたい


考えているうちに、僕も眠っていた


午前7時、薄くアラームが鳴った

僕は、それで十分起きられる

細心の注意を払いながら身支度をする


僕がいなくなった掛け布団は

君が強く抱き締めていた

純粋に好きなんだろうけど

その掛け布団を妬きそうになって、すぐに思い直す

いつか意地悪で言ってやろう


さっさと済ませて出掛けるまで寝顔を眺める

君が起きるには、未だまだ早い

むにゃむにゃのままキスとハグと

それから「行ってきます」をして送り出してもらった

うん、どうしようもなくかわいい

手を振る君をベッドに残して、部屋の鍵を閉めた


よく眠れたかなあ


辛いことがあったって、僕は大丈夫だって

そう言える

だから、君の大丈夫は、僕があげられるように生きていたい。


—寝相— 

A recollection with you

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