recipe

君が見せてくれる世界は

僕にとって、新鮮なものばかりだ


知らないことは、罪だと思ってきたけれど

どうやらそうでもないみたいだ

むしろ、最近では嬉しいとさえ


誰かのためにご飯を作ることは殆どない

そもそもズボラだから、味付けだって適当で

美味しいと言ってもらえる自信はないし

自分のためなんて、面倒臭くて仕方ない


君に頼まれれば断る理由もなくて

僕は初めて頑張ってみることにした

何たって好みが同じだから

きっと大丈夫だろうなって

味見してもらうまでは、ヒヤヒヤものだったけど


食卓の大きさは、いつもと同じはずなのに

同じものを食べているだけで、すごく近く感じる

作ったことのない味に

君の心配を煽ってしまったけれど

僕は好きだった


記念すべき日に写真を撮り忘れたのに

「つくってくれた」って、笑ってくれる君に

何も惜しいとは思わなかった


スーパーで買い足した

君が勧めてくれた缶ビールも

初めてなのに美味しかった


使った調味料を眺めて

甘醤油なら、もっと好みに近づけるかなって

君に似合うレシピばっかり考えてしまう


どんだけ好きなんだと、自分に呆れそうになる


食後のプリンケーキを忘れていたことを、ふたりで笑った

「甘いものは別腹だね」って、もう一度、ふたりで笑った


きっとふたりにしか作れない、幸せのレシピになった。


— recipe —

A recollection with you

カフェ“ポエム” since 2010.11.27

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