シメイ
僕の不甲斐なさに、やり場のない失望感がつきまとってくる
もうどうにも上手く眠れなくなって、
夜が耽るのと同じ速度で、思考の海に飛び込んだ
本当は何が怖いのか
もう気づいている癖に気づかないふりを
決め込んでいたのかもしれない
それを僕が、あまりに容易く許してしまうから
戸惑わない方が無理だっただろう
かつての僕が、差し伸べられた手も言葉も
誰の何でさえ信じることすらせずに、払い退けてしまったように
過去の十字架に幾重にも縛られてきた
孤独(ひとり)に閉じ込めて
何度も溺れて、何度も消えそうになって
波が引くのを何とかやり過ごす度に
生きた日々を後悔してしまう
誰かのこころに踏み込んでしまうことが
すごく嫌だったし、すごく怖かった
誰かに踏み込まれた挙句、裏切られるなんてもっと
自分を壊すものは、全部なくなればいい
大事にしなければ、大事にしなくて済む
それでこの苦しみは終わって、楽になれる
ひとりで立つって、そういうことだと思った
甘かった。
君は君のすべてを、救われて生きて良い
いや、そうであって欲しい、生きていて欲しい
勝手に願って、勝手にそうしたいだけだ
踏み込む覚悟が、あるいは傷つける覚悟がなければ、
そのこころには、触れられない
僕にとって、大事な言葉も想いも、場所も、絶対に渡さない
当たり障りのない曖昧さで、鋭く突き放したかもしれない
その程度の優しさなんて、無責任そのものだ
僕の使命は、君を「一人(しあわせ)」にすることだと思っている
君のすべては、他ならない君自身が否定しても、僕がすべて肯定する
もし間違えたとしても、僕らには言葉がある
もう必要ないと、何がわかると、払われてしまうかもしれない
それでも僕は、君が生きるいまを “ 幸せ ” にしていたい。
—シメイ—
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