present from you

幸せになることが怖かった


自分だけそうなろうと必死なひとばかりだったから

これは我儘であって、誰にも望まれていない

本気で向き合ってくれるひとなんか、ひとりもいない


孤独を決め込んで、我慢に我慢を重ねたせいで

元の形が分からないくらいに、僕のこころは壊れてしまった


生きてきたこれまでにも、生きていくこれからにも

意味も理由もつけられなくて、たった一度、息することが苦しい

嬉しくても楽しくても、その場だけで

明日になれば、もうどうでもよくなっている


掬えなかった感情は留まらない

そうして僕は空っぽになった


誰かの言葉を受け取ることもやめた

返せる言葉がなかったから

諦めることがもっと簡単だったら良かったのに


君が、そうはさせなかったんだ


君の言葉は、僕のこころをあっという間に満たしていく

両手なんかじゃ抱えきれなくて溢れかえった

そこでやっと僕は、生きていたんだと理解した


それから、君に渡してきた言葉が

君の言葉として、その声で、僕に届く


「可笑しいなあ…こんなはずじゃ、なかったのになあ…」


いつもと逆。僕の方が隠しきれなかった


「貴方はいい子」


そう言いながら、目の前で意地らしく笑う君を

この世界の何よりも愛しく想った。


— present from you —

A recollection with you

カフェ“ポエム” since 2010.11.27

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