present from you
幸せになることが怖かった
自分だけそうなろうと必死なひとばかりだったから
これは我儘であって、誰にも望まれていない
本気で向き合ってくれるひとなんか、ひとりもいない
孤独を決め込んで、我慢に我慢を重ねたせいで
元の形が分からないくらいに、僕のこころは壊れてしまった
生きてきたこれまでにも、生きていくこれからにも
意味も理由もつけられなくて、たった一度、息することが苦しい
嬉しくても楽しくても、その場だけで
明日になれば、もうどうでもよくなっている
掬えなかった感情は留まらない
そうして僕は空っぽになった
誰かの言葉を受け取ることもやめた
返せる言葉がなかったから
諦めることがもっと簡単だったら良かったのに
君が、そうはさせなかったんだ
君の言葉は、僕のこころをあっという間に満たしていく
両手なんかじゃ抱えきれなくて溢れかえった
そこでやっと僕は、生きていたんだと理解した
それから、君に渡してきた言葉が
君の言葉として、その声で、僕に届く
「可笑しいなあ…こんなはずじゃ、なかったのになあ…」
いつもと逆。僕の方が隠しきれなかった
「貴方はいい子」
そう言いながら、目の前で意地らしく笑う君を
この世界の何よりも愛しく想った。
— present from you —
0コメント