秋宵 aki-yoi

旅のあいだ、ベッドにたおれ込んで

目を瞑って、1日を振り返るこの刻(とき)が幸せだ


ひたすら山を登って棒になる足は

山々の連なりの彼方に佇む彩を見れば、一瞬で忘れてしまうし

どうにも嫌なことがあった日には

波打つ夕日に向かって歩けば、自然と「またね」を言えた


いつも寄り添ってくれているような気がして安心する

元気ももらってる

すごく勝手な話だけど、「ありがとう」と心の中で唱えておく


伝えたい言葉ほど上手く伝えられないのは

もうどうしようもないことなんだろうなあ


いままさに、暮色の地平に染まる赤と

宵の黄昏の隙間を流れていく箒星だって、何万光年の旅の途中みたいだ

この先のことは、誰にも、きっと分かりっこない


それでもいつか、君に見せたいと願っている


小説の1ページに出てきそうな星降る湖畔で

記憶を繋いで、懐かしい香りに色を着けていく


優しい明日は、来ると信じて。


ー 秋宵 aki-yoi ーinspired by Asami Nenoki

本作は、作家さんから許可を得て、作品タイトルを使用しています。


【油彩風景画家 根ノ木 あさみさんのご紹介】

根ノ木さんが油彩で描かれている題材は、誰もが身近に感じられる世界です。海や川などあらゆる自然は、基本的にそこに行かなければ見えないけれど、毎日違った顔を見せながら、いつも傍にあってくれます。

定まった形がないからこそ、惹かれずにはいられない。

今日、あなたがどんな気持ちで過ごしたか。いま大切なひと、遠い過去、自分が育った街のこと、どこかで聴いた音楽のように、優しく寄り添ってくれる風景画です。

作品と共にご注目頂きたいのが、キャプションです。僕自身が詩人だからということも大いにありますが、丁寧に添えられた言葉の温もりに、心が洗われていきます。


個展 ―優しい明日ーは、ART GALLERY 東急プラザ銀座にて、開催中です。2024年最後、また活動休止前の大型個展になるそうです。新作原画も数多く展示されるとのことですので、是非ご覧になってください!


根ノ木あさみ 個展 ―優しい明日ー

会期 10/15 tue. ~ 27 sun.

   11:00-20:00

会場 ART GALLERY 東急プラザ銀座(東急プラザ銀座4階)

   東京メトロ銀座駅「C3出口」が最寄りです。

詳しい在廊日程は、作家様のInstagramをご確認ください。


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