心の行先
ひとり、椅子の上に踞(うずくま)った
背中に生えた色とりどりの羽が微かに肌を撫でる
綺麗だと言ってくれた君の声は聞こえない
じっと目を伏せる
あるのは私の小さな息遣いだけ
夢の話なんかしたくなかった
手にしたものと失くしたものを天秤にかけては
ただ涙が溢れていく
「もう、何もいらない」
そう言って突き放したのに
君は私よりずっと悲しそうな顔をしていた
最初からなかったんだ、何かを決める必要なんて
辿り着いた場所が心の行先で
振り向けば、この羽と同じくらい色とりどりの花に満たされて
世界は優しく、結ばれていくから
「いま、私、生きてるよ」
いつか君に教えたいと思った。
— 心の行先 — word from painting of Lina
Lina Solo Exhibition “Voice of the heart” at ALL DAY GALLERY
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