心の行先

ひとり、椅子の上に踞(うずくま)った

背中に生えた色とりどりの羽が微かに肌を撫でる


綺麗だと言ってくれた君の声は聞こえない

じっと目を伏せる

あるのは私の小さな息遣いだけ


夢の話なんかしたくなかった

手にしたものと失くしたものを天秤にかけては

ただ涙が溢れていく


「もう、何もいらない」


そう言って突き放したのに

君は私よりずっと悲しそうな顔をしていた


最初からなかったんだ、何かを決める必要なんて


辿り着いた場所が心の行先で

振り向けば、この羽と同じくらい色とりどりの花に満たされて

世界は優しく、結ばれていくから


「いま、私、生きてるよ」


いつか君に教えたいと思った。


— 心の行先 — word from painting of Lina

Lina Solo Exhibition “Voice of the heart” at ALL DAY GALLERY

A recollection with you

カフェ“ポエム” since 2011

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