海の音— umi-no-ne —

見渡す限りの白い砂と青い海、それから海と同じ色の空

僕らの他に、誰もいない

着くやいなやサンダルを脱いで走り出す

転ばないようにと思いながら、あとを追いかけた


不意に僕の方を向いて

勢い任せに手を振りながら、何かを伝えようとしている

その声は表情と一緒に小波(さざなみ)に飲まれた


もう一度。


「聞こえないよ!」と叫んでみたけれど、わずかに遅かったらしい

目の前には君がいて、意地らしく笑っている


ああ、もうダメだ。海の音が遠のいた。


海の音— umi-no-ne —

A recollection with you

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