窓際で 編ーその9ー
「おっと、もうこんな時間かあ」
「うん。あ、今日の分のお会計は、忘れないでね」
「忘れませんよ」
そう言ってからお代を払う。
「予定立ったら連絡するから。カーテンとテーブルクロスは、その時持って行くよ」
ずっと話していたために、2つとも裁つ時間がなかったのは言うまでもない。
「ええ、お待ちしてます」
僕が言うと、未夜さんはちらりと詩歩を見て、またね、と笑った。
詩歩は買った日傘を差している。まだ日差しが強いから、でもあるが、どうやら気に入っているらしい。一応聴いてみる。
「どうだい、その日傘」
「とっても良いですよっ」
「それは良かった」
鼻唄混じりに前を歩く彼女。
さて、これからどうしようか。散歩がてら、カフェでも行こうか。
思いを巡らせている。
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