窓際で 編ーその10ー Shiho side.
感覚でお店に入るところは、あたしも祐月さんも同じ。ハズレないというか、ハズさないというか。
良い買い物も出来たし、満足だよまるっ。
祐月さんが選んだのは川沿いのオープンカフェ。テラスもあるから、風にも当たれる。
日傘を閉じてお店に入った。
先にレジで注文してからカウンターで受け取って、自分で席に持っていくみたいだった。
「詩歩、どれにする?」
「えっと…、アイスミルクティーください」
「じゃあ、僕はカフェラテにしようかな。アイスで」
かしこまりました、あちらでお渡ししますね。と、店員さんが明るく言う。
ふと。ふとだけど、あたしたちは外からどう見えるんだろう、と思った。
「詩歩。僕が持っていくから先に席行ってて良いよ」
「へ、あ、はい」
少ししてから、祐月さんが飲み物を持って来て、向かいに座った。
「はい」
「ありがとうございます」
「さっき、どうしたんだい?何か考えてたみたいだけど」
「え?良いんです、気にしないでください」
「そっか」
それ以上は聴かれなかった。
「そういえばさ。僕らって周りからするとどう見えるんだろうね」
言われてどきっとした。
「う、うーん。友達、には見えそうにないですし」
「そうだなあ」
「み、見えてるように見られてればいいですっ」
どうにでもなっちゃえ、って、投げやりに言ったんだけど、
「それもありか。変なこと聞いたな、ごめん」
と祐月さんが言うから、少しだけ焦った。
「謝らなくてもっ」
「ははは、そうだな。よし、そろそろ帰ろうか」
「はあいっ」
あたしたちは、お店を出た。
買ってもらった日傘を差して。
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