続く雨の音 前編

「祐月さん、今日も雨の日ですか?」
「ううっ、たまたまだよ」

晴れた日にしたら良いのに、祐月さんの脳はなぜか雨の日に回るらしい。単純に考えすぎなんだよ。ほんと。
そんなことをあたしが考えてるなんて、きっと知らないだろうな♪

「それにしても今日はよく降ったね」
「そうですね。お店の床がべちゃべちゃですし」
「…じゃあ、まずは掃除だね」
「ううっ」

そうだった。してやられた。
祐月さんも掃除手伝ってくださいよね…!
目で訴えたのに、一瞬早く背を向かれてしまった。準備だけはいつも早いのに。
そう思っていたら、

「ん?手伝うよ」

ぽかーんとしているあたしの頭をくしゃっとして、床を拭き始めた。

A recollection with you

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