夕立
早朝に旅に出る君を見送ったあと
家に帰って、家事を完璧にこなす
身なりを整えて、未来のための戦いに赴く
予報にもなかった雨にも遭わなかった
君の言葉も背中を押してくれた
なんだかとても気分が良くて
今日の僕は、ちゃんと強く在れた
僕は意識しないようにしていた
2晩と3日、家に帰っても君がいない
いつもより言葉をくれるのに
募る淋しさも誤魔化しきれなかった
この感覚は、初めてじゃない
僕が知らない、あるいは知りたいことを
嬉々として話した君への、明白な嫉妬だ
お互いの足音を意識して
歩幅を合わせてくれない君が悪いわけじゃない
僕が居て欲しいときに限って
隣にいない君が悪いわけじゃない
悪酔いしてでも、寝てしまいたいくて
いつもは呑まないお酒を買って
その感情ごと消そうと試みた
意識すればするほど余計に眠れなくて、情けなくなる
君は早々に眠ってしまった
声くらい、聴きたかった。
— 夕立 —
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