夕立

早朝に旅に出る君を見送ったあと

家に帰って、家事を完璧にこなす

身なりを整えて、未来のための戦いに赴く

予報にもなかった雨にも遭わなかった

君の言葉も背中を押してくれた

なんだかとても気分が良くて

今日の僕は、ちゃんと強く在れた


僕は意識しないようにしていた

2晩と3日、家に帰っても君がいない

いつもより言葉をくれるのに

募る淋しさも誤魔化しきれなかった


この感覚は、初めてじゃない


僕が知らない、あるいは知りたいことを

嬉々として話した君への、明白な嫉妬だ


お互いの足音を意識して

歩幅を合わせてくれない君が悪いわけじゃない

僕が居て欲しいときに限って

隣にいない君が悪いわけじゃない


悪酔いしてでも、寝てしまいたいくて

いつもは呑まないお酒を買って

その感情ごと消そうと試みた

意識すればするほど余計に眠れなくて、情けなくなる


君は早々に眠ってしまった

声くらい、聴きたかった。


— 夕立 —

A recollection with you

カフェ“ポエム” since 2010.11.27

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