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僕に特段の用事はなかったけれど
君に頼まれて、駅まで一緒に行くことになった
今日は、ひとり3分のスピーチがあって、
しかも、原稿なしで挑まなければならないらしい
面接以外で資料なしに、時間制限さえある発表だなんて
君はとんでもない勇者だと感心していたら
他のひとは原稿さえないと言うから
君の仕事場は、神有月みたいだと驚いてしまう
話す内容は、数日前に僕も聴いたことだった
君の言葉で、とても丁寧に
時間通りに、まとめられていてさすがだと思った
それに、君の声が持つ誠実さとか実直さとか
向き合う姿勢まで惜しみなく出ていて
やっぱり、自分のことのように誇らしい
朝のバタバタが嘘のように、余裕を持って駅に着いたころ
僕のスマホがメールの着信を告げた
良い知らせは、君が隣にいるときに来るって
予感めいた確信があったけれど、不安がなかったわけではない
そんな心配は、果たして杞憂だった
開けたメールは本当に良い知らせで
君から頑張れをもらう
いやいや、逆だよってと思いながらも
僕は歩みを進めている実感を噛み締める
手を振って君を送り出す
二度振り返って、二度振り返す
頑張れよ
君は本番に強いひとだから
それこそ心配、してないけどね。
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