the same as you
昨日の雨が、嘘みたいな晴天だった
あんまり勢いよく玄関を飛び出して来るから
思わず笑ってしまった
隣を歩く君は、屈託のない笑顔で僕を見上げている
何も言葉を交わすだけが会話じゃない
睨めっこみたいに見ているだけでも
表情でも、雰囲気でも
匂いとか、触れたときの温度とか
伝えあう手段は、いくらだって
僕らの間には、言葉であって言葉でないものがたくさんある
複雑な香りがすると言って差し出された
その瓶を開けた瞬間、君と同じ香りがしただなんて
思っても口には出せなかった
とめどなく押し寄せてくる愛おしさを
誤魔化すのに躍起になって、
上手く返事できていたかすら怪しくなる
あとで言うのも小っ恥ずかしいから
何とかして、あの海のきらめきに溶かしてしまいたい
無理なのは、分かりきっている
隠しごとが僕は下手過ぎる
君を言葉の旅路に連れ出せて良かった
そうして世界の広さを伝えたい
もっと色々なものを見て、聴いて、感じて
君が綴る物語を読んでいたい
我儘にも、そう思わずにはいられなかった。
—the same as you —
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