【君を、想い出す】
読了してからしばらく経ってしまったけれど、僭越ながら、読んで感じたことを綴ります。
まず。純粋に、言葉に引き込まれました。
この感覚は、とても久しぶりのことでした。
字体、行間はもちろん、そこに在る言葉ひとつひとつから、すーっと想いが入ってくる。
時に、香りが鼻腔をくすぐるような温かさがあって、
時に、目の前にない淋しさが寄せてきて、人間の有り様さえ考えさせられる。
君の話であり、君は僕かもしれなくて、あるいは他の誰かかもしれない。
聞き覚えがあるような、どこかで出会ったような、君のこと。
「君を、想い出す」ということは、いつかどこかに置いてきた自分を、大事にすることなのかもしれない。
もちろん、いまの自分も。
とても美味しかったです。
ありがとうございます。
君を、想い出す / 葉月 紗
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