僕と君の現在地

今夜は知人に、彼氏はいるのか聞かれたと言う


「なんて答えたの」

「大切なひとがいます、って言いました」

「いいじゃん」


ただ、どこで出会ったのかと聞かれて

はっきり答えなかった上、

そもそも“彼氏彼女”とは違うと返して、

話を拗らせてしまったようだ


ふたりの関係を誰かに説明するのは

君にとっては、とても難しいことらしい

そして、君の隠しごと精神は、

どうやら僕にも適用されるらしかった

それは、僕が君の中で大切なものとして

扱われているのと同義だと思った


「誰かひとりを大切にしたくないんです」

以前にも、君が言っていたことだ

「大切がいっぱいあるのがいいんです。

 一番とか決めたくないんです」

「でも、それが僕らみたいにならないでしょ?」

「そうですね」

「『唯一です』って、言ってくれたひとがいるんですけど」

「それ、いいじゃん」

笑いながら返してみたところで

「でも、唯一って、みんな唯一だし…」


君の中でも、葛藤がある

僕という存在は、君の唯一ではあっても

一番にはなれないし、ならないことは

もう分かっている

この先、変わらないとも限らないけど


「貴方に愛されてるなって、分かってるんです」

その後ろに“けど”が見えて

「僕に愛されるの、怖い?

 それとも、愛されたぶん返さなきゃとか思ってる?」

「怖くは、ないですけど…」


僕も、君に愛されているとは思う


いろんなひとを大切にするのは、悪いことじゃない

でも、自分だけもらってばかりじゃ駄目な気がする

器用じゃない君が、それぞれに隠すことを選ぶなら

君の言う“バランス”は、きっと崩れてしまう


「僕らって、端的にいうならパートナーってことでしょ」

「そうなんですけどね」


やっぱり、けど、だった。


—僕と君の現在地—

A recollection with you

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