紫陽花

雨の匂いがして、まもなく降りだした
持ち合わせていた傘を差して、小路を早足で抜ける

―いつか見たスクリーンの向こうでは、遠い昔の言葉で逢瀬を重ねた2人が微笑んでいた


僕に、その音は作れないけれど、君にだけ掛けられる魔法ならあるかもしれない

冷たく濁った色さえ、淡く温かい声色に変えてしまうほど、大胆で
今日が今日であって良かったと、ふと気付けるように、こっそりと

―雨上がりの空に虹を見て、やっと君に出逢えた気がした。こんなに近くに居るのに


紫陽花の季節、雨を待ってもいいと思えた。

A recollection with you

カフェ“ポエム” since 2010.11.27

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