take care

「今日は、一緒じゃないんですか?」

一昨日、寂しそうな顔で僕に言った君に

「今日は、一緒だからね」

伝えてみるとふっと微笑んだ

「このままゆっくりしたいよ〜」

甘えてくるけれど、どうにかこうにか起きてもらう

気持ちよく起きれた割に

またしてもギリギリだった


朝ごはんの支度に勤しむ


気分でカフェラテを淹れたのは、イージーミスだった

ただでさえ迫る時間を、余計に切羽詰まらせてしまう


何もかもを爆速で済ませて、なんとか君より先に玄関に立つ

バタバタと降りてきた君は、ジャケットを羽織っていた


スーツは、やっぱりこうでなくちゃと思う


「先生みたいだね」

「それは、なんか嫌です」

おっと違ったと内心、若干焦って

「じゃあ、本業っぽいね」

これでも、回答としてはベタだった


あるのかないのか分からない程度の小雨の中

早足に駅まで歩く

するといきなり、隣から

「ふぇぇぇーーっ、くぅっしょっん!!!」

可笑しすぎて、思いきり笑い飛ばした

「なにそれ?」

「くしゃみの助走です…!」

恥ずかしがりながら言う君を改めて笑い飛ばすと

僕の腕にしがみつきながら笑っていた


誤魔化すように、谷川俊太郎の詩を引き合いに出してきた

そんな話しを深堀りしている場合じゃない


時計を確認して、今度は慌てて走り出した

仕事に遅れるわけにはいかない


駅前まで走り終えて、息を切らしながら

「せっかく涼しいからジャケット着たのに、汗かきました…」

ロングジレを着た僕も、「ホントだよ」とごちる

息つく間もなく、君は改札に入っていった

いつも通り2回振り返って、2回とも手を振ってくれた。


— take care —

A recollection with you

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