leave a scar

ああ、これでやっと終わったんだ

そう思った


これまで負ってきた何より深いこの傷を

治すにはそれなりの時間が必要だった


君の知らない時間の中で

この世界から消えたがって

この世界で、生きたがって

こんな馬鹿な思考を

何度繰り返してきただろう


僕がいない未来と君がいない明日を

天秤にかけて早々に諦めたんだ


どっちも耐えられないやって


抱きあって、お互いの温度を確かめながら

顔も見ずに「好き」だと言いあって

顔を見て、けれど目を伏せてそっと口づける


こんな僕でもいいですか、なんて

もう聴かなくていいと思った

そんなのは、目の前の君に失礼だから


一緒に朝ごはんを食べて

君を送り出して

洗濯は三回まわして

僕も出掛けて

お互いに頑張って

同じ場所に帰って眠る


生きることを貪(むさぼ)って

消えることを突き放して


ふたりで生きてる。


— leave a scar —

A recollection with you

カフェ“ポエム” since 2010.11.27

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