—旅 page.1—

目を閉じる前に、ふと思う


いつかこうなることを

知っていたのかもしれない

運命というやつは

どうも悪戯ばっかりだ


僕らが手を取り合うことを

一度はあんなに否定したのに


何度も何度も出逢い直して

これじゃあ忘れることさえ許してくれないじゃないか


君が生きてきた世界を僕は知らなかった

僕が生きてきた世界を君は知らなかった


だけど


僕が生きている世界は

君も生きている世界だ


未だに君の手を取れないのは

間違いなく僕のせい

自分のことさえ覚束ないのに

君のことを考えてしまう


こんな未熟者の言葉なんてきっと届かない


そんな願いさえ裏切られて

僕らの旅は、たったひとつの夢になっていく


僕が手を伸ばした、その先は。


—旅 page.2—

もう私、泣かなくていいんだ


嘘ばっかりついてきたこれまでを

繋いでくれる言葉が愛しい


手は握ってもくれないのに、心の中ばっかり暖かくて

いつも隣にいてくれてるような感覚だけがあった


いまも、それで十分だと思ってる


寝不足と春の陽気のせいで

つい、うたたねをしてしまった


目が覚めると、意地悪そうに笑っていた

どうせ無理ってわかってたけど

ぷいっと明後日の方を向いて、誤魔化しておく


目を閉じて、ふと思う


この旅が、桜と一緒に散りませんように

それから、私から離してしまいませんように


夢を叶える旅の途中、

忘れてはいけなかったはずのこと。


—旅—


A recollection with you

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