distance
出会った日のことは、もうはっきりとは覚えていない
同じ高校の同じクラスで、席が近かった
そんなありふれたシチュエーションだったから
好きなものも嫌いなものも
よくわからないうちから
話す時間だけが積み重なっていって
いつの間にか君に会うことが楽しみになった
気遣いというには、あまりに心地良過ぎた
別の進路を歩いて程なくして
初めて僕らは大喧嘩をした
いままでにない
どうでもいい理由の成れの果てだった
この距離が、もどかしかった
近くにいても、結局一緒だったんだろうか
「あいたい」
僕から言うことなんて、出来なかった。
—distance—
0コメント