ひとり
私の夜は、いつも穏やかだった
我儘を我儘と言わずに
甘えていられたのは、貴方のお陰だよ
顔も合わせないのに、何でもお見通しとばかりに
真っ直ぐな声で話しかけてくれる
返す言葉は拙くて、
ちゃんと伝わってるかどうか自信なんてなかったけど
きっと大丈夫だって信じてた
それは間違ってなかった
貴方は、私をひとりにはしなかった
だからいけなかったんだと思う
突然、我慢していた何かが堰を切って
ひとりじゃ止められなかった
私は私を裏切った。
これ以上、話したくない
電話を切った
涙が止まらない
こんな気持ち、気付きたくなかった
—ひとり—
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